シルヴァン流メソッド
:2012/03/27 :釣法
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私はフランス人のシルヴァンと一緒に釣りに行くことも多く、彼の釣りを見ていると、日本に今定着しているCarp Fishingと違う部分に驚かさせられることが多いです。
ここではシルヴァンの釣りを横で見ていて、気が付いたことや、話していて感じたことなど、少しでも参考になるようなことを書いていこうと思っています。
シルヴァンについて
■ フランスでの釣果 25.1キロ
■ フランスでの釣果 22.1キロ
■ シルヴァン自作のボイルドベイト
■ ナマズ 205センチ 60キロ
■ 多摩川での釣果
■ 荒川での釣果
■ SYLVAN GARASSUS Profile
フランス在住、映画監督
仕事で定期的に日本を訪れ、滞在中は多摩川をメインに荒川などでもCarpFishingを楽しむ。
鯉釣りは10歳から初め、CarpFishing歴は23年。
アグレッシブ
シルヴァンと一緒に釣りをしていていつも思うことがあります。
それはどんな時でも釣ってやろうっていう意識の強さです。
良く雑誌に外国のアングラーを表現する言葉として「アグレッシブ」って表現が使われていますが、まさにその通りです。
鯉釣りをする人なら誰でも経験したことがあると思いますが、粘ってもアタリがもらえず、水面を見ても魚っけが全く無い。
こりゃダメだって思う日って、ありますよね?
そんな時でも、彼は何とか一本でも上げてやろうっていう意欲が満々です。
活性が低ければ低いなりに攻めればいいのだとばかりに、ボイリーからコーンに切り替え、場所を変え、投入ポイントを変え、結果的に何本か上げてしまいます。
一方、活性の低さに呆れてしまった私は、ずっとボイリーのままローテーションしてみたりしますが、すぐに諦めてダラダラと雑談に夢中になってしまってます。。。
こういうところに差が出てくるのだと思います。
正直言って、使っているタックルやリグなどは多少違うにしても、画期的に違うって程ではありません。
ですが、本当に釣ることに貪欲で、その攻め方は考えられる全ての方法を出し切るって感じです。
「積極な攻め」
足元を攻めてダメなら奥へ、奥でもダメなら、もっと奥へ投入し、しかも丁寧な攻め方をするのです。
日本ではあまりしない逆打ち(流れに逆らって上流に投入すること)も平気でします。
普通、頑張ってみてアタリがないとだんだんルーズな釣りになってきます(私だけかな…)が、彼は違います。
遠投する場合には、必ずフィーディングポイントとフックベイツを同じポイントに投入するためにラインに目印を結びつけ、ズレのないようにして投入するし、フックの先端が甘くなっていないかのチェックも怠りません。
勿論、私と話をしている時でも、視線は水面を見ています。
私にすると、今日は難しそうだからのんびり雑談するものいいじゃないって思うんですが(笑)、彼は全く違うようです。
だからこそ釣果に結び付けられるのでしょうし、大型も頻繁に上げることが出来るのだと思います。
「ジャングルポイント」
また、彼はよく自転車で多摩川のあちこちのポイントを見てまわっています。
以前聞いた時には、ものすごいジャングル状態のような場所で釣りをしたこともあるようです。
その場所は、自転車で見てまわって良いポイントだったからと言っているのですが…
写真も見せてもらいましたが…とてもじゃないですが…私が釣りをしようと思う場所ではありませんでした…。
それはものすごいジャングルのような草むらの中だったからです。。。
彼は色んな虫や動物、爬虫類なども平気なようで…
一緒に釣りをしていても、ヘビが出てくると、喜んで捕まえようとするし…
変わった虫を見つけると、すぐに捕まえて観察しています…。
まあ、映画監督という職業柄、アフリカなどの本当のジャングルにも何度も行っていたようですので、平気なのかもしれませんが…。
虫や爬虫類などが平気かどうかは別にしても(笑)、
ポイントを自分の足で探して、いいポイントがあれば草をかき分けてでも竿を出すというその姿勢がすごいと思っています。
別に、このHPを見られた方にジャングルのような草むらで釣りをしましょうと言っている訳ではありません。
ただ、彼のこの釣るための意欲的な行動は大いに参考になると思っているのです。
日本人の釣りに欠けているのは、技術や道具ではなく、この「何としても釣るんだ」っていう意欲ではないでしょうか。
私がシルヴァンのことを紹介するにあたって、一番最初に書きたかったのは、このことです。
勿論、ポイントを見る目や、ベイトに関する知識、釣りの技術も素晴らしいのですが、最も特筆すべきはこのアグレッシブさでしょう。
シルヴァンのことをご存じない方に、彼のことを理解していただくためには、このことを説明するのが一番だと思っています。
フレキシブル
彼は、とても自由な発想で釣りをしています。
それは、釣るためだったらどうやってもいいじゃないって思いが感じられるからです。
日本では、このタックルで、このリグで、このベイトで釣ってやるっていう釣り人の思いが先行してしまい、結果的に、ひたすら待つ釣りに徹してしまうことが多いのですが、彼は完全に逆です。
勿論、釣りだから、待たねばならないんですが、その日の状況を見て、それに応じて釣り方を自由に変えていくのです。
それが良い結果を生んでいると思います。
引き出しの多さと、発想の自由さ、それに対応の素早さがすごいって思います。
「リグ」
先日、シルヴァンと一緒に釣りをしていた時のことです。
いつもの通り、アタリを待ちながら色んな話をしていました。
彼がちょっと前に一人で釣りに行った時のことを話し始めました。
どうやらその日はシルヴァンも苦戦したようなのですが、それでも二本上げたようでした。
状況を聞くと、どうも魚が浮き加減で、中層を泳いでいて、水底に興味が無さそうだったとのこと。
「それでも二本上げたんならすごいよ」って私が言うと、彼は水底から30センチ程ベイトを浮かして釣ったって言うのです。
つまり彼はPOP-UPを使って水底から30センチ浮かせて釣ったのです。
日本ではそんなPOP-UPの使い方、見たことは無いですよね。
雑誌などでも紹介されていません。。。
もしかして、海外では知られている釣り方なのかもしれませんが…。
でも、彼はその日の魚の動きを眼で見て、ボトムでは難しいと判断し、自分独自の発想で釣り場でリグを作り、見事に二本上げたのです。
他にも彼は、ボトムの釣りだけではなく、パンを使った浮き釣りもよくやっているようです。
それは、水面のゴミをスパスパと吸い込んでいる大きな鯉クンを発見したからで、普通は彼もボトムの釣りがメインです。
このフレキシブルに対応するのが本当にすごいって思います。
また、彼のリグでちょっと面白いリグを見せてもらったので、ここで紹介しようと思います。
このリグはフックリンクにフロロを使っていて、フックに直接結んでいるのではなく、チチワにフックのアイを通してあるだけです。
ヘア部分はブレイドラインを使っていて、フックに結ばれています。
このリグを見せてもらった時、「これってフランスでは有名なリグなの?」って聞いたのですが、「知らない」とのことでした(笑)。
つまり、彼が自分で考えて作ったって事ですね。。。
このリグが効果的なのかどうかって事を話すつもりはありません。
ただ、自分で色々考えて独自のリグまで作ってしまう…その自由さがすごいなぁって思ってしまうのは私だけでしょうか…。
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