鯉釣りをもっと自由に楽しみたいブログ

カープケアの裏事情

:2013/01/22 

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毎日寒いですね。
これだけ寒い日が続くと、さすがに釣りに行く気持ちも萎えてします…。

先日、ちょっとショックな話を聞きました。

そのことを織り交ぜて、私なりにケープケアについて書いてみようと思います。

日本でカープケアの重要性が取り上げられるようになって、もうかなりなりますが、未だに、そんなこと知ったことじゃ無いっていう人もいます。

大物を釣った時、自分が釣ったってことを分かるようにするため、背びれの一部分を切って放すって話を聞きました…。
もう問題外で、呆れますが…。。。

そんな一方で、きっちりとケアをされている人もいます。
どうして日本ではヨーロッパのようにカープケアが徹底されないのでしょうか?

これには、ヨーロッパ(特にイギリス)の鯉釣り事情が影響しているように思います。
ヨーロッパの鯉クンは日本の鯉クンと比べて体高が高く、釣られているほとんどは養殖の鯉クン達です。
海外の鯉釣りサイトや雑誌の写真を見ても、それは簡単に見て取れますよね。

勿論、野生の鯉クンも少数ながら居るのでしょうが、圧倒的に養殖が多くなっているようです。
またこれは、ヨーロッパでは自然の川や湖で釣りをするのではなく、管理釣り場で釣りをすることが
多いからです。

ヨーロッパの鯉釣り関連サイトを見ていると、管理釣り場のサイトが非常に多くあることが分かります。
この管理釣り場は、会員制が殆どで、日本で言うところのゴルフ場のようなものです。

会員になるには入会金が必要で、厳しいところになると審査があったり、会員の紹介が必要とか…
まるでゴルフの会員権ですね。
要するにステータス性が高いわけです。

管理釣り場には、食堂やシャワールームなども完備されており、タックルなども販売されています。
食堂のメニューには、オリジナル料理や名物料理があったりするようです。

管理釣り場にも色々なランクがあって、一流どころから、中流、そして庶民のためのものもあります。
つまり、入会金や会費などがだんだん安くなるってことです。
まるでゴルフ場と同じでしょう?
すごいですよね。。。

また、その管理釣り場では、今年はどれ位の大物が上がったか分かるようになっています。
すべて大物は管理されているわけです。
その大物を釣りたくて、多くの釣り人は会員になろうとします。
すごい金額を払って…。

管理釣り場としては、少しでも大物を釣って欲しい訳です。
大物が釣れる湖って宣伝になりますから…。
とは言っても、もともと鯉クンの居なかった所に養殖された鯉クンを放流しているわけですから、居もしない大物が釣れるわけはありません。

どうするか…
他で釣れた、もしくは養殖された大型の鯉クンを購入し、自分の管理釣り場に放流するのです。

大型の鯉クン…あ、重量級のですね(笑)の場合だと、日本円にして100万円以上だとか…。
会員権が高額な管理釣り場ほど予算がある訳ですから、大物をたくさん購入できるってことです。

言い換えると、会員になるのにそれほど費用がかからない管理釣り場には、大物は少ないって事でもあります。
これは、つまりお金持ちほど大物を釣りやすい環境にあるってことですよね。。。

また、管理釣り場で、大物が釣れたときには、専用回線で係員に連絡しなくてはいけないそうです。
係員は24時間体制で連絡を受け、釣り場まで飛んできて、計量し、写真撮影し、魚体をチェック、リリースするそうです。
専門の係員がいるそうです(笑)。
なにしろ、その鯉クンにはお金かかってますから(笑)。

こんな話も聞きました。
どこかでビッグサイズの鯉クンが釣れると、その鯉クンを買い取っている管理釣り場もあるようです。

ある湖で大型の鯉クンが釣れたってサイトにUPされているかと思えば、翌年全く違う国の管理釣り場で、その鯉クンに非常に良く似たのが釣られて写真がUPされているってことも多いそうです。

まあ、あくまでも似ているってことで、同一固体かどうか確認はできませんし、全ての管理釣り場で同じような事が行われているかどうかはわかりません。

ですが、もし本当だとすると…
検疫とかは引っかからないのかな…?
もしくは、裏で色んな取引がされているんでしょうか…。
そこまでは分かりませんが…。

ここまで来ると、もう完全なビジネスになっていることは否定できません。
鯉釣りそのものがビジネスになっているんです。
だからこそ、管理釣り場で釣りをする条件として、カープケアのための道具が必需品であり、それが出来ない人は、釣りをさせてもらえないのです。

管理釣り場としても、一匹が100万円以上する鯉クンを釣らせるわけですから、ケアされないと非常に困るわけです。
その管理釣り場の目玉になる大物が傷だらけだったり、すぐ死なれてしまうと、会員が居なくなってしまい、儲からなくなってしまうのですから。。。

だからこそ、ヨーロッパではカープケアがより浸透したと言うか…
ちゃんとカープケアをしないと、鯉釣りができないって背景があったわけです。

つまり鯉釣りにはカープケアが最初からセットになっていたってことです。
とは言っても、ヨーロッパの人々が鯉クンを丁寧に扱う姿勢からは、
「そうしなければいけない」という、強制的にさせられている、形だけのカープケアでなく、
「そうしたい」という、自発的に、鯉クンを友達的に扱い、釣りをさせてもらっているという感謝と慈愛のような気持ちまで感じます。

まさに、鯉クンに釣りを楽しませてもらっているってことなんでしょう。

だからこそリリースする時に「ありがとう」って感謝の言葉が自然に出てくるのでしょうね。
ヨーロッパのこういう背景を知ってしまうと、日本との鯉釣り環境がすごく違うなぁって感じませんか?

日本では本当に身近に鯉クンが居ます。
水路のようなところにも居ますし、自然がいっぱいの湖や山上湖にも居ます。
あまりにも身近すぎて、ありがたみが無いのかもしれません。

また、日本の鯉釣りには、漁的なものだった名残がたくさん残っています。
針がたくさん付いている市販の吸い込み仕掛けもその名残でしょうか。
鯉クンを釣って食べるために、針をたくさん付け、少しでも釣り上げられる確立を高める工夫をしたのでしょう。
人間が生きるために釣りをしてきたのです。

これらのように、日本の鯉釣りは、ヨーロッパとは背景が全く違います。
だから、日本の鯉釣りをヨーロッパの鯉釣りと比較すること自体がおかしいように感じます。
根底にある考え方が違うのです。

その考え方が転換するには時間も掛かるでしょう。
ヨーロッパのように半ば「強制的に」カープケアをさせられてきた背景がある国と違って、日本の釣り人達が、鯉クンへの感謝の気持ちだけで「自発的に」カープケアを行うようになってきたってことは、素晴らしいことですよね。

その「自発的」って部分に、カッコイイと思われたいからとか…進んでるって思われたいから…とか
色んな気持ちが入っていても関係ないでしょう。
あくまでも「自発的」に行っていることに意味があるのではないでしょうか。

ただ、冒頭に書いたように、未だに自分が釣った大物だって分かるよう、背びれの一部を切ってリリースしている人もいるのが実情です…悲しいことですが…。

もう日本の鯉釣りでも、カープケアが必要な時代になっています。
カープケアの考え方を知ってしまった以上は、無視することは出来ません。
知らないふりをすることも、もう出来ません。
カープケアが本当は必要だってこと、もう分かっていますよね。
カープケア無しに、鯉釣り人気が高まることもありません。

あちこち傷ついて痛々しい姿の鯉クンを見て、うれしいですか?
背びれを切られた大物を見て、うれしいですか?
素晴らしいファイトを楽しませてくれた鯉クンに、ありがとうって言いたくありませんか?
また鯉釣りをしようって思わせてくれた鯉クン達に、感謝したくありませんか?

もう鯉クンは「獲物」ではありません…。

※この文章は、私が聞いた情報から、日本にもっとカープケアが浸透していけばとの思いで書いたものです。
ですので、聞いた情報から、推測して書いている部分もあります。
また、ヨーロッパの鯉釣りに関して、正しくない記述もあるかもしれませんし、批判する つもりも全くありません。
あくまでも一個人が、日本にカープケアが広がっていくため、わざと挑発的に書いたものとして受け止めていただければありがたく思います。

コスパ抜群アウター

コメント

2 Comments
  • チームコルダ

    2013年1月23日 at 1:59 AM

    こんばんは。
    貴重な情報ありがとうございます。
    なんか、ひとつナゾが解けたような気がします。
    私は、欧州と日本のカープケアレベルの違いは、意識レベルの違いだと、なんとなく考えていましたが、背景の違いというのもあったんですね。
    もちろん、意識もあってのことでしょうけど。
    確かにアチラは管理釣り場がほとんどで、地域によっては警察まで飛んでくるほど管理が徹底されているところもあると聞いたことがあります。そうだとすると、河川や湖は巨大な釣堀りですね。
    とすると釣った鯉は「おらが鯉」ではないですし、扱いは管理者のルールに従わなくてはいけませんね。儲かる商売になっているのなら、なおさらタイトなルールになっているのかもしれません。
    日本ではカープケアを義務付けされた環境はほとんどセロで、そんな中でカープケアが広まっていくことには、誇りを感じます。「自発的」というのはつまり義務ではなく「意識だけ」でやっているからです。
    「日本人は変わってる。管理釣り場でもないのに鯉を丁寧に扱ってる」なんて、アチラの鯉師のブログなんかに書かれたりしたら最高ですね。
    ところで、背ビレの一部を切り取って放すなんて鯉師がいるんですか。デロデロのヨゴレですね。あいた口がふさがりません。

    返信

  • Carp Paradise mm

    2013年1月23日 at 12:11 PM

    チームコルダさん、こんにちは。
    ヨーロッパのカーパー達が、最初からカープケアについて高い意識を持っていたのかどうかは分かりませんが、少なくとも、カープケアは鯉釣りの一連の流れとして必要不可欠なものだと刷り込まれているのではないでしょうか。
    この辺りは想像ですが。。。
    日本の全ての鯉師が、漁の意識から完全に抜け出すことができたら、それはすごい事ですし、誇れることですよね。
    大物に限って背びれの一部を切って放すって、自慢するように話してました…。
    腹が立つやら、情けないやらで、力が抜けてしまいました…。
    こういう人が居なくなるには、まだまだ時間が掛かるのでしょうか…。

    返信

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