春の好機に向けてタックルを手入れ【鯉釣りスピニング ハンドルノブ編】
:2021/03/06 :タックル考察
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前回の記事「春の好機に向けてタックルを手入れ 鯉釣りスピニング ラインローラー編」では、スピニングリールのラインローラーの交換に加え、より快適にリーリングするためにラインローラーにベアリングを追加する方法について説明しました。
今回はスピニングリールのハンドルノブのメンテナンスについて、私がやっている方法を紹介します。
ハンドルノブのメンテナンス内容
スピニングリールのハンドルノブもリールを巻く際の巻き心地に大きく影響します。
ハンドルノブのメンテナンス項目としては以下のものになります。
A.劣化したベアリングの交換
ハンドルノブがスムーズに回るかどうかはベアリングの影響が非常に大きく、ベアリングが劣化していたなら、交換するだけで購入当時の感触に戻るはずです。
B.ハンドルノブのガタつきをなくす
価格帯によって違うのか、それとも個体によって差があるのかは分かりませんが、スピニングリールにはリールハンドルとハンドルノブの間に隙間ができている場合があります。
もちろん隙間があってもリールの性能には影響はありませんが、リーリングの際にハンドルがカタカタ動くのはあまりいい気分ではありません。
この隙間をなくすとリールそのものにしっかり感が出て、まるでワンランク上の機種を使っているような感触が得られます。
そこでもしハンドルノブに隙間があるのなら、ハンドルノブのベアリングを交換するのと一緒にこの隙間もなくしてしまおうというものです。
C.ベアリングレスモデルなどにベアリングを追加
スピニングリールの中には比較的高級機であってもハンドルノブにベアリングではなく、プラスチックパーツを使っているものもあります。
そのような場合には、プラスチックパーツの代わりにベアリングを入れることも機種によっては可能です。
ハンドルノブメンテナンスの準備
スピニングリールのハンドルノブをメンテナンスするにはハンドルノブを外さなくてはなりませんが、ハンドルノブにはキャップが取り付けられています。
このキャップを取り外さないとメンテナンスはできません。
例えばダイワの以下のようなハンドルノブの場合には、金属パーツを精密ドライバーなどで外してしまえば、プラスドライバーでハンドルノブを取り外すことができます。
画像引用:DAIWA
しかし私が使っている「TICA ABYSS」や「シマノ アルブリードCI4」のハンドルノブには小さな穴が開いたキャップが取り付けられています。
また「シマノ サーフリーダーCI4 SD35」のハンドルノブには穴が開いていないキャップが取り付けられています。
これらの機種のハンドルノブを取り外すには、そのための工具が必要なのですが、この工具は身近にあるもので簡単に自作することができます。
用意するものは事務用のクリップとプライヤーだけです。
クリップの端を伸ばして、その先端から約5ミリのところをプライヤーで直角に曲げるだけで完成です。
穴が開いたキャップの場合は、この穴に工具の曲げた先端を差し込んでからまっすぐにし、引き抜きます。
画像の状態にして、引き抜くだけです。
穴が開いていない「シマノ サーフリーダーCI4 SD35」などのキャップは、キャップに工具の先端を引っかけて引っ張れば、キャップは外れます。
A.劣化したベアリングの交換方法について
キャップを外すと、穴の奥にプラスネジが入っているので、そのネジを緩めればハンドルノブを外すことができます。
ハンドルノブのベアリングはラインローラーと同じように、現在ついているベアリングを外し、元あった位置に同サイズの新しいベアリングを注油して入れるだけです。
なおベアリングのサイズは、リールの取扱説明書やメーカーの公式サイトなどに書かれていて、容易に分かる場合もあります。
以下の画像は「シマノ パワーエアロ プロサーフ」の分解図ですが、ハンドルノブに使われているベアリングの位置とサイズが表記されていますので、このような場合はそのサイズのベアリングをそのままヘッジフォッグスタジオに注文すればいいわけです。
もし取扱説明書を紛失し、公式サイトなどでも分からない場合は、ノギスでベアリングの外径、内径、厚みを計測して、合致するサイズのベアリングをヘッジフォッグスタジオの「ベアリング単品販売」内から選んで購入することになります。
ちなみに「TICA ABYSS」の場合は、ラインローラーと同サイズのベアリングが2個、このような順で組み込まれています。
B.ハンドルノブのガタつきをなくす方法について
劣化したベアリングを交換するためにはハンドルノブを取り外さなくてはなりませんが、せっかくハンドルノブをバラすのですから、このタイミングでハンドルノブのガタつきも一緒になくしてしまいたいですね。
ハンドルノブのガタつきは、ハンドルとハンドルノブとの間に隙間があることによって生じていますので、この隙間分の厚みをカバーできる調整用のシム(ワッシャー)を入れてやれば良いわけです。
ヘッジフォッグスタジオの「調整ワッシャー・シム」のページをみると分かりますが、ワッシャーにもベアリングと同様に外径と内径、そして厚さが色々あります。
ワッシャーの外径はベアリングと同じサイズのものを選びます。
そして内径は、ベアリングの内側にある回転する部分に干渉しないもの、つまり以下のような内径のものならOKというわけです。
そしてワッシャーの厚みは、非常に多くの種類があります。
薄いものでは0.01mm、0.03mm、0.05mmから、0.1mm、0.3mm、0.5mmなどのものがあります。
ハンドルノブのガタつきの原因となっている隙間の広さに応じてこのワッシャーを入れるわけですが、ワッシャー1枚ではガタつきが解消しないのであれば2枚重ねるなどの方法もあります。
また0.5mmの隙間があるならば、交換するベアリングの厚さを0.5mm厚いものにしてしまうという方法もあります。
ただしベアリングの厚さは最小でも0.5mm単位になっているようです。
もしハンドルノブの隙間が0.6mmあったとしたら、ベアリングを0.5mm厚いものにして、0.1mmのワッシャーを1枚入れるという方法もあります。
ちなみに私の「TICA ABYSS」にはこのようにワッシャーを入れてあります。
C.ベアリングレスモデルなどにベアリングを追加する方法
ハンドルノブにベアリングが入っていない、もしくは入っていても1つだけなどの場合でも、ヘッジフォッグスタジオでは「ベアリング追加キット」のページで、ベアリングを追加できる機種を紹介しています。
私が調べて見たところ、鯉釣りに使えそうなスピニングリールで、ハンドルノブにベアリングを追加できる機種は以下のようなものでした。
ダイワであれば
17ウインドキャスト
15プロカーゴ遠投
14プロカーゴSS遠投
シマノであれば
15パワーエアロ プロサーフ
なおこれらの機種のハンドルノブにベアリングを追加する方法もヘッジフォッグスタジオは写真付きで詳しく説明していますので、初めてメンテナンスする方でも安心して取り組めます。
まとめ
スピニングリールのハンドルノブのベアリングメンテナンスに加え、ハンドルノブを分解するのであれば、是非一緒にやっておきたいガタつきの調整方法についても説明しました。
ラインローラーとハンドルノブの劣化したベアリングをメンテナンスすると、明らかに巻き心地は変わります。
是非やってみてください。
残るスピニングリールのメンテナンスは、ドラグについてです。
公開までしばらくお待ちください。
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