春の好機に向けてタックルを手入れ【鯉釣り用スピニング リール編】
:2021/02/27 :タックル考察
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鯉釣りで最も大型をゲットしやすい季節である春を迎えるにあたって、タックルの手入れ方法として、「春の好機に向けてタックルを手入れ カープロッド編」内で、私が実践しているカープロッドの手入れ方法について紹介しました。
カープロッドに次いで手入れが必要なのが鯉釣り用スピニングリールです。
鯉釣りにベイトリールを使っている方も多いと思いますが、私は現在スピニングリールしか使っていませんので、スピニングリールの手入れ方法を具体的に紹介しようと思います。
ただ手入れといっても、シャワーでの水洗い、オイルやグリスを注すなんてことは釣り人なら誰でも知っているでしょう。
それらをやっているかどうかは別にして、その意味をいまさら説明してもしょうがありません。
そこで、長年使い続けた鯉釣り用スピニングリールにありがちなパーツの劣化、そしてそのパーツをメンテナンスする意味について説明しようと思います。
鯉釣り用リールの扱われ方と劣化するパーツ
鯉釣りは基本的に淡水の釣りです。
もちろん汽水域にも鯉は生息していますが、それでも鯉は汽水域の上層にある淡水層に生息しているため淡水の釣りとなります。
つまり鯉釣りに使われているリールは、淡水で使われているということです。
海水の釣りでは海水の塩分によってリールも傷みやすく、人気のルアーを使った釣りになると常に投げる・巻くをくり返すため、どうしてもリールを酷使することになります。
必然的にリールは傷みやすくなり、その結果、新しいモデルに買い替える頻度が高くなってしまいます。
しかし鯉釣りは待ちの釣りですから、リールをそれほど酷使することもありません。
そのためリールも長持ちする傾向にありますが、それでも確実に劣化していくパーツがあります。
それがベアリングとドラグです。
ベアリングの劣化とメンテナンス
ベアリングは鯉釣りに使われるスピニングリールにももちろん装着されていますが、使っているうち、確実に劣化していきます。
最近のリールはグリスやオイルを封入し、錆などから保護する構造のベアリングを採用したモデルも多いですが、それでも完全に劣化を抑えることはできません。
「少しづつ」回転が悪く、すなわち重くなっていきます。
酷い場合は錆びも発生してきます。
厄介なことに、この「少しづつ」というのが劣化を分かりにくくしています。
そして以前のブログ記事「年季の入ったリールのベアリングチューン」でも書いた私のリールのように、突然異音を発するようになることも多いのです。
こうなってしまったベアリングはもう直りませんので、ベアリングそのものを交換するしかありません。
ベアリングはスピニングリールの場合、メインシャフトの軸受け部分やラインローラー、ハンドルノブなどに使われていますが、最も劣化しやすいのがラインローラーとハンドルノブのベアリングです。
この2カ所のベアリングが劣化してくると、ラインを巻き取る時に重く感じるようになります。
特にラインローラーのベアリングが劣化すると、ラインのねじれが取れにくくなってしまいます。
このようなスピニングリールを鯉釣りで使った場合、仕掛け回収の際に巻取りが重く感じ、鯉とのやり取りに際して素早く巻き取りたい時にも出遅れる可能性もあります。
ラインのねじれはラインの引っ張り強度を下げてしまうだけでなく、ラインをたるませると穂先に絡んでしまうこともあります。
また遠投した際に思ったほど飛ばず、投げる際にラインが絡まってしまいやすいため、そのままフルスイングするとロッドが破損することもあります。
ベアリング交換の効果とベアリング追加
スピニングリールの劣化したベアリングを交換すると、ラインの巻取りは格段に楽になります。
特にラインローラーのベアリングが劣化していた場合、交換すると巻取りはまるで仕掛けが飛んでくるように感じるほどです。
このことは以前のブログ記事「年季の入ったリールのベアリングチューン」でも書いた通りです。
ただし交換する際のベアリングはなるべく同じフィーリングのものを揃えておくべきでしょう。
複数竿を出す鯉釣りで、右のリールは巻取りが重く、左のリールは巻取りが軽いというようなことは避けたいはずです。
ベアリングは個体によって回転が重いものや軽いものがあり、低価格のものほど回転はスムーズでも回転の重さが違うものがある、つまりバラツキがあるようです。
このバラツキを抑えたベアリングを扱っているのがヘッジフォッグスタジオです。
さらに最近のスピニングリールはコストを下げる意味もあり、本来ならベアリングを使うべきところにプラスチックパーツを使っているものもあります。
これはかなり高級なモデルでもそのようなケースが見受けられます。
回転をスムーズにするためのベアリングの代わりとしてプラスチックパーツを使うということは、すり減ってしまう可能性があるばかりか、回転をよりスムーズにできる余地があるともいえます。
このようなリールの場合、プラスチックパーツをベアリングに交換することが可能な場合もあります。
つまり純正状態で5ベアリングだったリールを、7ベアリングなどに改造することができる場合もあるということです。
こうすると安心感が高まると同時に、自分のリールへの特別感も高まってくるはずです。
ヘッジフォッグスタジオでは現行モデルのスピニングリール交換用のベアリングだけでなく、プラスチックパーツから交換するためのベアリングパーツも取り扱っており、具体的な交換方法まで解説しています。
ドラグの劣化とメンテナンス
ベアリングと同様、ドラグも少しづつ劣化していきます。
鯉釣りに使われるようなスピニングリールのドラグにはフェルトワッシャーが3枚用いられていますが、ドラグを締めるほどフェルトワッシャーを強く押さえつけていくようになっています。
この押さえ具合でドラグの強さを調整しているわけです。
しかしフェルトワッシャーを押さえつけるということは、ワッシャーをプレスしているとのと同じことです。
プレスされ続けていると、フェルトワッシャーは厚みがどんどん薄くなってきます。
薄くなったフェルトワッシャーは摩擦力が低下、すなわちドラグ力を保持する機能が低下するので、ドラグを締めるためにはより強く締めなくてはなりません。
するとフェルトワッシャーの厚みは一層薄くなってきます。
つまり悪循環に陥ってしまうわけです。
また薄くなったフェルトワッシャーでドラグを少しだけ緩めてラインをだそうとすると、フェルトワッシャーが変形したり、千切れたりすることもあります。
さらにフェルトワッシャーには、ドラグの滑り出しをスムーズにするためと、フェルトワッシャーを保護する目的で、ドラグ専用のグリスが塗られています。
このドラググリスが乾燥してしまうと、フェルトワッシャーが傷みやすくなるだけでなく、ドラグの滑り出しもギクシャクしてきます。
つまりフェルトワッシャーとドラググリスは消耗品であり、劣化した場合はメンテナンスするべきであるということです。
ドラグ劣化を目で確認する方法
ドラグの劣化、すなわちフェルトワッシャーの劣化もベアリング同様、少しづつ進むので気が付きにくいのですが、目で見て確認する方法があります。
それはドラグノブを締め付けた時、どこまでスプールに沈み込むかということです。
フェルトワッシャーに厚みがあると、ドラグを締めてもノブはそれほど沈み込みませんが、
フェルトワッシャーが劣化して薄くなってくると、薄くなった分だけノブは奥まで締め込めるようになり、スプールの奥まで沈み込みます。
以下の画像は、分かりやすいようにドラグノブの状態を示したものです。
実際にこのリールのフェルトワッシャーが劣化しているわけではありません。
もちろん正常な状態のノブの沈み込み具合を把握していないと正確な判断はできませんが、なんとなく以前より奥まで沈み込むと感じるようなら、劣化していると考えて間違いないでしょう。
なおベアリングの項で紹介したヘッジフォッグスタジオなら、メンテナンスに必要なパーツなども取り扱っているので安心です。
まとめ
鯉釣りに使用するスピニングリールの劣化とメンテナンスの考え方について説明しました。
本当はこの記事内で、私が実際にやったメンテナンス手順まで説明しようと思っていたのですが、その前段階だけで文章量が多くなりすぎてしまいました。。。
そこでベアリング交換の実際やドラグメンテナンス等については、別記事にしようと思います。
もし楽しみにしてくださっている方がいらっしゃるのであれば、しばらくお持ちください。
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