春の好機に向けてタックルを手入れ【鯉釣りスピニング ラインローラー編】
:2021/03/02 :タックル考察
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「春の好機に向けてタックルを手入れ 鯉釣り用スピニングリール編」ではベアリングとドラグのメンテナンスの重要性について説明させていただきました。
今回は具体的なメンテナンス手順についてご説明します。
まずはラインローラーのベアリングについてです。
スピニングリールのラインローラーは非常に重要なパーツで、ここのベアリングの動きが巻き心地やラインの撚れ具合を決めてしまうといっても過言ではありません。
念のためリールの構造図を確認
なおリールを分解してメンテナンスする場合、リールを購入した際に付属していた取扱説明書をもし保管しているのであれば、念のために構造を見ておきましょう。
この取扱説明書にはリールの構造図が描かれているはずですので、どのようなパーツが使われているのか参考になります。
取扱説明書を捨ててしまった、紛失してしまったなどの場合には、シマノ・ダイワのリールであれば、あまり古いもの以外は以下から確認することもできます。
またこれ以外のメーカーのリールで、取扱説明書が付属していなかった、もしくは保管していない場合は、自分で構造を確認しながらメンテナンスすることになります。
しかしラインローラーやドラグの構造は決して複雑ではありません。
一度分解してみれば、たったこれでだけのパーツで機能させているのかってビックリするほどです。
ちなみに今回は私が長年使っているTICAの「ABYSS」を例に説明しますが、確かこのリールには取扱説明書が付属していなかったように記憶しています。
そのため自分で構造を確認しながら分解し、何度かメンテナンスしましたが、全く難しさはありませんでした。
ラインローラーのベアリング交換
ラインローラー部分のベアリング交換は非常に簡単です。
ただし注意しておきたいのが、パーツの向きなどです。
パーツの向きが違ってしまうと上手くはまらない場合や、ラインのねじれを取ることができないなどの不具合が起きてしまいます。
必ず向きを覚えておくか、段階毎に写真を撮るなどしておきましょう。
ラインローラーの向きの確認
以下はTICA「ABYSS」のラインローラーの画像です。
これを見ると分かりますが、「ABYSS」のラインローラーは平らではありません。
ラインローラーはこのように斜めになっていたり、段差が付いているので、その向きをしっかりと確認しておきましょう。
向きが逆になっても取り付けられる場合がありますが、逆に取りつけてしまうとラインのねじれを取ることができなくなります。
ラインローラーはラインを巻き取る時、その斜めや段差をラインが移動することによって、ラインに付いているのと逆のねじれを生み出すようにしており、これによってラインのねじれを取ることを実現させています。
つまりラインローラーの向きが逆になってしまうと、ラインのねじれは取れなくなってしまうので、絶対に間違えてはいけません。
ちなみにダイワとシマノではラインローラーの向きが違うことがあり、同じメーカー内でも機種によってラインローラーの向きが違う場合があるともいわれていますので、注意しましょう。
ラインローラーの分解
ラインローラーが取り付けられているボルトを取り外します。
このボルトを取り外すと、ラインローラーそのものを取り外すことができます。
ラインローラーのパーツがどのように組まれているかをしっかり確認し、ベアリングを取り外します。
ちなみにTICA「ABYSS」のラインローラーにはベアリングが1つ使用されていますので、これを取り外します。
ラインローラーのベアリングサイズの確認と購入
取り外したベアリングを新しいものに交換するわけですが、リールの取扱説明書やメーカーの公式サイトがある場合には、使用されているベアリングのサイズが明記されている場合もあります。
以下は私が使っているシマノ アルブリードCI4 の構造図です。
これを見ると、アルブリードCI4のラインローラーにはφ4×φ8×3のベアリングが使用されていることが分かります。
内径4ミリ、外径8ミリ、厚さ3ミリのベアリングということです。
このサイズの新しいベアリングをヘッジフォッグスタジオで購入し、交換すれば良いということです。
では、構造図がないTICA「ABYSS」のラインローラーのサイズはどうすれば良いかというと、ベアリングのサイズを計測して、合致するサイズのベアリングを購入すれば良いのです。
ノギスを使ってベアリングの外径と内径、そして厚さを計測します。
ノギスで計測したところ、外径8ミリ、内径5ミリ、厚さ2.5ミリのサイズでした。
このサイズのベアリングをヘッジホッグスタジオのメニューにある「ベアリング単品販売」内から選んで購入すればジャストサイズということです。
購入したベアリングへの注油と組み立て
自分のリールのラインローラーに合致したサイズのベアリングを購入し、届けばいよいよ組み立てですが、その前にやっておきたいことがあります。
ベアリングへの注油です。
ベアリングへの注油は色々な方法があるようですが、私自身がやっている方法はリールオイルの中に浸けてしまうという方法です。
100円ショップで小さなガラス瓶を購入し、リールオイルを瓶に少し出して、その中にベアリングを浸けてしまいます。
しばらく放置した後に瓶から取り出し、ベアリングを少し回して内部のオイルを馴染ませた後、表面のオイルを拭き取って、元通りに組み立てて完成です。
ベアリングを追加して特別のモデルに仕上げる
劣化したベアリングから新しいものに交換すると、その回転のスムーズさにきっと驚くはずです。
ベアリングって、こんな小さなパーツなのにすごいなぁって思うでしょう。
しかし前記事「春の好機に向けてタックルを手入れ【鯉釣り用スピニングリール編】」内でも説明したように、比較的高級機に位置づけられるリールであっても、ラインローラー内にベアリングではなく、プラスチックパーツを装着しているモデルもあります。
そのようなモデルの場合、プラスチックパーツをベアリングに交換すれば、回転のスムーズさがUPする可能性と、リールに対する特別感と愛着が高まります。
ヘッジホッグスタジオのメニューにある「ベアリング追加キット」をクリックすると、ベアリングを追加するキットがあるかどうか判断できます。
このページをみると分かりますが、鯉釣りに良く使われているスピニングリールで、ラインローラーのベアリング数を増やすことができるものは数多くあります。
例えばダイワであれば
・14プロカーゴSS 遠投用
・15プロカーゴ 遠投用
・18プロカーゴSS 遠投用
・15パワーサーフ
・18パワーサーフSS遠投用
・10クロスキャスト
・17クロスキャスト
・09ウインドキャスト
・17ウインドキャスト
ざっと見ただけでも、ダイワではこれだけの機種のラインローラーにベアリングを追加することができるようです。
一方、シマノの場合は、現行モデルでラインローラーにベアリングを追加することはできないようですが、ハンドルノブに追加することができるモデルが幾つかあるようです。
もしこれらのリールを使っているのであれば、ベアリングを追加して、自分だけの特別なモデルに仕上げることもできるのです。
なおヘッジフォッグスタジオでは、これらのモデルにベアリングを追加する際の作業方法まで細かく解説していますので、安心して作業に取り掛かることができます。
まとめ
鯉釣りに使われるスピニングリールのラインローラーに入っているベアリングを交換する作業手順について、私のリールを使って説明しました。
メーカーや機種によってラインローラーの構造は異なるはずですから、紹介した方法と同じように作業できるとは限りませんが、ラインローラーの基本そのものは大きく変わらないはずです。
長年、手入れをせずに使い続けたスピニングリールを、この春にもそのまま使おうとしているのであれば、せめてベアリング交換だけでもしてあげてください。
きっと回転のスムーズさに驚かれ、私のようにリールを巻く動作が楽しみになると思いますよ。
それに自分でしっかりとメンテナンスしたんだって思えば、リールに不安はなく、大物とのやり取りも自信をもってできるはずです。
次はハンドルノブのベアリング交換について説明させていただきます。
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