ベースミックス材料考
:2011/03/27 :自作ベイト
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ボイリーのベースミックスの材料となりえるものには、本当に色々なものがあります。
それは、勿論作るボイリーの種類にもよるわけですが、ここでは、海外の既製品ボイリーのベースに用いられることが多いものについて、あくまでも私が分かる範囲(笑)で色々なことを記述していこうと思います。
既製品のボイリーには、本当に多種多様なものがありますが、私が理解している範囲では、そのどれにも必ず含まれているものがあります。
それは「蛋白質」です。
動物系と言われる臭い香りのものは勿論ですが、スウィーツ系のもの、そしてスパイシー系のものにも同様に含まれていると思っています。
また、それらの中間に位置するものも同じだと思っています。
勿論、それらのボイリーの狙いや方向性によって、その種類、配合比率、量は変わってくるのでしょうが、必ず入っていると思ってます。
「ボイリー」に含まれている蛋白質を大きく区分すると…
動物質のもの、植物系のもの、それに牛乳由来のミルクプロテインに大別できます。
これらは原料そのものに含まれる蛋白質の含有率も違いますし、味も勿論ですが、特徴も違います。
動物質の蛋白質で言えば
- 魚粉
- エビ類の粉
- イカ・タコ類の粉
- レバーパウダー
- 肉粉
- 貝類の粉
など
植物系蛋白質では
- 豆類の粉
- 穀物類の粉
など
ミルクプロテインでは、文字通り
- 牛乳
に由来するものです。
これらが主なものでしょう。
これ以外にもあるのかもしれませんが、あくまでも私の分かる範囲ですので、ご了承ください。
今回はこれらの中でも「動物性蛋白質」について、私が知っていることを書いていこうと思います。
魚粉
文字通り、魚を乾燥させて粉末状にしたものです。
魚料理を食べていて分かるように、魚には「赤身」の魚と、「白身」の魚の両方があります。
魚粉の中でも入手しやすいのは「赤身」の魚粉です。
釣具屋でも売られていますし、スーパーなどでも入手しやすいですよね。
ですが、加工方法にもよりますが「赤身」は脂肪分が多いのが特徴です。
お腹の調子が悪くなったり、体調を崩して消化能力が落ちた時には、蛋白源として「白身」の魚を食べさせることがありますが、それは脂肪分が少ないために、味も淡白、消化もし易いながらも、充分に「蛋白質」を補給できるからでしょう。
つまりそれほど「赤身」と「白身」の魚粉には違いがあるわけです。
また、加工処理された「赤身」魚粉は別でしょうが、乾燥させて粉砕しただけの「赤身」魚粉には殆どと言って良いほど脱酸素剤が入れられています。
それは脂分が多く、酸化しやすいことを物語っています。
ボイリーに使用する魚粉としては、ベイト中の脂分が溶出しやすい時期、つまり水温の高い時期であれば「赤身」の魚粉は非常に効果的だと思っています。
しかしながら、水温の低い時期に「赤身」の魚粉をボイリーに入れた場合は、その力を充分に発揮できないのでは…と思っています。
それは脂分が低水温で固まってしまい、水中に溶出しにくいのではないかと言うことからです。
勿論、この時期に「赤身」とはいえ魚粉をベースに加える意味が無いわけではありません。
効率的ではないと思っているということです。
それを考えると、脂分が少なく、味も淡白な「白身」の魚粉はオールシーズン活用しやすい魚粉と言えるでしょう。
それは、淡白な味だからこそ、どのような香り付けにも対応できるということもあるでしょう。
また、水温の高い時期に対応するためには、脂分を追加して入れれば済むことですし、それは比較的容易です。
日本では「白身」の魚粉はタラなどが多いようです。
ヨーロッパではハリバットつまりオヒョウですね、が良く使われているようです。
残念ながら、「白身」の魚粉は日本では一般にはあまり流通していません。
ちょっと特殊な魚粉だということになります。
エビ類の粉
これは釣具店でオキアミ粉やエビ粉などとして売られています。
また普通のスーパーなどでも乾燥エビとして普通に売られているので、それを粉砕することも出来ます。
比較的入手しやすいものですが、エビ類などの粉は鯉クンだけでなく、多くの魚類が好むエサです。
既製品ボイリーだけでなく、海外でも自作のボイリーに入れることが多いようです。
海外の場合はオキアミや海のエビ類、また淡水のエビ類なども使っているようです。
オキアミでなくても、エビなどの粉には抜群の集魚効果がありますので、上手く使えば抜群の釣果が期待できますが、気をつけなくてはいけないのが、その比重の軽さです。
オキアミ粉やエビ粉は、その殻を一緒に粉にしてあるので、比重が非常に軽くなっているのです。
ですので、これをベースミックスに多く入れると、非常に軽いボイリーになってしまいます。
その結果、浮いてしまいます…。
私はこれで何度も失敗しました。。。
つまり配合比率を考えて使わないといけないということですね。。。
注意なさってください。
イカ、タコ類の粉
これらの粉をベースミックスに使った既製品ボイリーは非常に臭い匂いがすることで有名です。
独特の匂いがあるということですね。
それだけ集魚効果も高いということなのですが、私は今のところイカの粉だけしかボイリーに使ったことはありません。
その時は確かに臭いボイリーができました(笑)。
ですが、タコの粉は入手できませんでした。
勿論、特殊なルートで入手することはできるのですが…。
タコについてはあまり良く分かりませんが、イカから作った油はかなり匂いが強烈です。
市販されているイカの油は私も良く使います。
これは服に付いただけで布地を変色させてしまいますし、尋常では無いほどの強烈な匂いです。
ですが、集魚効果は本当に抜群です。
おそらくこういう脂分を一緒にボイリーに混ぜて作るのでしょうが…
私にはちょっとその勇気はありません…。
危険なほどの匂いですので…。
チャレンジした方の話を聞いてみたいです…。
レバーパウダー
海外の既製品ボイリーにはこのレバーの名前を冠するものが多く存在します。
それだけ集魚力が強いということでしょうか…これも強烈な匂いです。。。
その香りは独特です。
レバーと言っても、魚の肝臓や鶏、豚、牛などのレバーがありますが、
日本で市販されていて入手可能なモノの原材料はあまりオープンにされていません。
多分、色んなものの肝臓を乾燥させ、粉末にしているのでしょうが…。
勿論、海外ではレバーパウダーはボイリーを扱っているメーカーなどから売られていたりします。
売られている殆どは豚のレバーのようですが、それだけボイリーのベースとしては有効なものなのでしょう。
現時点で、私が一番自信を持っているボイリーも、このレバーパウダーを使って作っているものです。
肉粉
肉粉、つまり牛や豚、鶏などの肉類を乾燥させて粉にしたものです。
これには脂分が豊富に含まれているだけでなく、蛋白質が非常に豊富で、効果的なものです。
これらは既製品「ボイリー」に用いられる場合、牛であれば一般的には肉の部分だけを粉にしているのではなく、肉骨粉と呼ばれる肉と骨、それに付随した血液を乾燥させて粉末にしたものを用いています。
これは勿論普通には入手できません。
また、海外では比較的オーソドックスなこのミート系ボイリーですが、あまり日本に入ってきていません。
それには大きな問題があるからです。
それはこの原材料、つまり「肉骨粉」がネックになっているのです。
海外のミート系ボイリーが原料としている牛の肉骨粉はBSEの輸入規制に引っかかるからです。
だからこそあまり日本に輸入されていないのでしょうし、今日本で販売されているミート系の既製品ボイリーは、おそらくベースに牛の肉骨粉以外のものを使っているのだと思います。
鶏肉を使うには問題ありませんので、チキン系の名前を冠したボイリーが多いのには、効果の点だけでは無く、そういう側面もあるのではないでしょうか。
ご自分で肉粉を入手できるのであれば、効果的なボイリーが作れますが、現時点では難しいと思っています…。
貝類の粉
既製品ボイリーに、貝類「オイスター」「マッセル」などの貝類の名前を冠したものが多いのは皆さんご存知だと思います。
良く使われているものとしては、上記以外には「イガイ」なども使われているようです。
タニシやシジミは鯉釣りのエサになることは良く知られていますが、それらの味や香り、栄養素を含んだボイリーも有効なのは理解していただけると思います。
しかしながら、日本ではその貝類の粉を入手することは困難です。
私も色々調べましたが、一般の人は入手できないようです。
ただ、ペットフードとかには貝類を粉にしたものが含まれている製品が多いことを考えると、製造業者間では原材料として流通しているのでしょう。
まとめ
こうやって改めてまとめてみて思ったのですが…
個人のレベルでボイリーを作ろうと思った時に、「動物性蛋白質」として購入しやすいものは本当に限られてきます。
流通はしていても一般には入手しにくいものや、特殊なものが多く、仮に入手ルートを見つけたとしても、おそらく最小ロットでも25kg単位とかだと思います。
それほどの量を購入した場合、個人で使い切るまでには痛んできたり、保存が大変ということもあるでしょう。
したがって、入手可能な材料を少しでも幅広くピックアップしていきながら、そこにどのようなものを組み合わせて、どのような香り付けを施していくかということを突き詰めていくことが、自作ボイリーの今後の進み方ってことになるのでしょうか…。
しかしながら、それでも充分な種類のボイリーができますし、勿論効果的なものも出来ますので安心なさってください。。
もう一つの方法としてですが…
入手可能な原材料をミキサーなどで砕いたり、ドロドロのジュース状にするという方法も考えられます。
例えば、白身の魚や牡蠣などを買ってきて、ミキサーにかけてボイリーに混ぜるって方法ですね。
この方法も出来なくはないでしょうが…
原材料に水分が多く含まれていることから、ベースミックスを練る時に柔らかくなりすぎたり、ボイル後の硬さを保つようにする為の比率を読むのが難しくなるのではないかと思っています。
また、乾燥させるときに時間が掛かるようになってしまうということもあるかもしれません。
これらを考え合わせると、この方法は無理とは言いませんが、チャレンジするのは難しい方法ではないかと思っています。
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